2024年 バイオ炭を利用した栽培(春作)

「やまえ栗」の剪定枝を炭化した「バイオ炭」をいただきました。

以前から畑に炭を投入して栽培する「炭素循環農法」に少し興味があったので、たまたま畑の準備をしていた「スナップエンドウ」で試験しました。

ベテラン農家の間でも畑に「灰」ではなく「炭」を散布することに賛否両論があり、炭素循環で良いとも聞くし、効果が立証されていない無機物を畑に投入するのはちょっと、、とも聞きます。

せっかく資材をいただいたので、少しでも良い結果があるといいなあーぐらいの期待で試験栽培しました。



1.1月26日 バイオ炭の入手



バイオ炭を計15kgいただきました。粒は細かく散布しやすいちょうど良いサイズです。



2.1月26日 バイオ炭の散布



堆肥を散布した後にバイオ炭を散布しました。左から、1畝目10kg、2畝目5kg、3畝目なしです。手で散布しましたが、軽くてサラサラしているので狭い面積ではそれほど苦になりません。ただ、マスクしても鼻の中が黒くなるので覚悟が必要です😊



3.1月27日 バイオ炭の耕うん(撹拌)



耕うんはバイオ炭の感触を確認したくて管理機ですき込みました。ジャリジャリするかと思いましたが、何事もなく普通にすき込めました。



4.2月7日 スナップエンドウ 種まき



株間20cm、1穴に2粒ずつ種をまきました。手前2畝は炭入り、3畝目は炭なしです。間引きせず最後までこのまま栽培します。画像はありませんが、10日後に発芽して炭あり畝はきれいに発芽がそろい、炭なし畝は欠株が少し目立ちました。バイオ炭が良い影響を与えたかも?です。



5.4月21日 スナップエンドウ 着花





背丈30cmで着花です。花数も多く順調に生長しています。例年よりハモグリバエ、イモムシ系の害虫が少ない気がしました。炭なし畝が少しだけ害虫被害がありました。



6.5月10日 スナップエンドウ 収穫開始




収穫と同時に暑さで着花がとまりました。生育も背丈80cmでストップです。今年の春はとにかく暑すぎでした😖
箱詰めしてJAに出荷です。今年はLサイズが多く品質はこれまでの栽培の中で一番良かったです。バイオ炭のおかげでしょうか???




7.5月24日 スナップエンドウ 栽培終了



黄化が始まり、うどん粉病が蔓延したので栽培終了しました。結局、2週間しか収穫ができませんでした。短期間にしては、品質、収量とも良かったと思います。例年通り5月下旬で栽培終了となりました。



8.試験栽培のまとめ 


バイオ炭の栽培では、炭あり畝、炭なし畝とも、見た目でわかるほどの違いはありませんでした。良くもなく悪くもなく、正直、あまりよくわかりませんでした。

物理性では、土がふかふかになる、水はけがよくなるなどの効果は実感できませんでした。継続して投入することで変化がでてくるかもしれません。

化学性では、今回はPh調整で石灰資材の施肥は行いませんでした。バイオ炭の散布後、土壌のPhは6.5でちょうどいい感じになりました。土壌がアルカリに向くことは間違いなさそうです。

生物性では、微生物の増減、多様化などはわかりませんが、例年に比べて病害虫被害の軽減は実感できました。

バイオ炭を畑に投入しても全体的に悪さはしない感じです。例年になく品質や収量が上がったのは事実ですが、栽培ほ場、播種時期、微生物資材を変更していること、天候の影響もあるので、バイオ炭の効果があったとは言い切れません。まだまだ未知の世界ですので、継続することで良い結果がでるような「期待感」はありました。

また機会があればバイオ炭で栽培したいと思います。